用語集

耐候性試験(Weathering test)とは

耐候性試験(Weathering test)とは、プラスチックの耐劣化性試験のひとつ。自然の天候、または、人工の条件下における材料やコーティングの劣化具合を調べる試験のこと。

また耐候性試験は、材料やコーティングの耐候性を決定するシステムなので、材料やコーティングが使用される製品の意思決定ツールでもあります。

耐久性を予測したり、または材料の風化中の機械的特性の変化を監視することができます。

耐候性試験(Weathering test)の試験方法には、屋外暴露試験(日光暴露・自然暴露ともいう)と人工促進暴露試験の2つがあります。

屋外暴露試験(日光暴露・自然暴露)は、試料を屋外南向き45度に設置し自然放置する方法です。この方法の欠点として、長期間かかること・試験場所や自然条件によって結果が異なることがあります。

人工促進暴露試験は、耐候性試験機を用いて自然条件より数倍強い天候条件を試験機内でつくり出し、短期間に試料の耐候性試験を行う方法です。人工促進暴露試験の試験機には、光源の名称から分類してカーボンアーク式、サンシャインカーボンアーク式、キセノンアークランプ式、メタルハライドランプ式などの耐候性試験機があります。

※ウェザオメーター(weatherometer)カーボンアーク式では、ウェザオメーター約200時間の紫外線量は、屋外に1年間暴露したときに受ける紫外線量に匹敵します。また劣化については、プラスチックの材料そのもの、またはその他外部的要因によって促進倍率が異なります。

耐候性試験で確認できること

耐候性試験では下記の劣化プロセスを確認することができます。

  • 機械的性質:
    • 破断時伸び
    • 引張特性
    • 衝撃強度
  • 目に見える特性:
    • クラック形成
    • チョーキング(白亜化)
    • 色または光沢の変化
このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-用語集
-

関連記事

lca cfp

ポリ無水物(POLYANHYDRIDES)

目次1 物性2 用途 物性 ポリ酸無水物は、ポリマー骨格の繰り返し単位にある無水物基を特徴とする重要なクラスの生分解性ポリマーです。無水物は加水分解の影響を非常に受けやすく、代謝して体内から除去できる …

樹脂プラスチックの表面張力について

1. 樹脂プラスチックの表面張力とは 表面張力とは、物質の表面が縮もうとする力で、液体や固体の表面状態を示す物理的性質の一つです。樹脂プラスチックの場合、コーティングや接着、印刷などの加工時に材料の表 …

lca cfp

可逆反応(reversible reaction)とは

可逆反応とは原系から生成系への進行だけでなく、生成系から原系への進行も起こる反応です。想定している正方向の反応とは逆方向の反応もエネルギー的に起こり得るときに可逆反応と呼びます。 可逆反応は原系と生成 …

lca cfp

ポリアミド(POLYAMIDES)とは-ポリラクタム/ポリフタルアミド/ポリアラミド

目次1 物性2 商業用ポリアミド3 用途 物性 ポリアミド(PA)は、二酸とジアミンの反応、またはラクタムの開環重合によって生成されます。それらは、脂肪族、半芳香族、または完全に芳香族の熱可塑性プラス …

lca cfp

原子効率の指標とも呼ばれるアトムエコノミー

アトムエコノミー(atom economy)とは原子効率とも呼ばれる指標で、原料に対して生成物に残される分子量の割合を指します。バリー・トロストによって提唱されてからグリーンケミストリーにおいて重要な …