超音波反応(Ultrasoud Reaction)とは人が耳で認識できるよりも大きな周波数の音波を照射することによっておこなう化学反応です。
超音波は約20kHzの音を指しますが、超音波反応では電子レンジと同じマイクロ波領域の音波を照射することによっておこなうことが多くなっています。超音波反応は超音波の照射によって反応を促進させることを目的としています。短時間の超音波照射によって反応速度が著しく向上したり、加熱による反応とは異なる反応をおこなったりすることが可能です。
超音波反応に用いる音=光のエネルギーは小さいため、エネルギーによる励起で化学反応に劇的な変化をもたらすとは考えられません。超音波反応のメカニズムは厳密には解明されていません。ただ、超音波照射によって溶媒にキャビティ(cavity)を生じさせ、キャビティが崩壊するキャビテーション(空洞化現象)と呼ばれるプロセスが大きな関与をしていると考えられています。キャビテーションが発生すると局所的に高温や高圧の場が生じるからです。溶媒分子を振動させる効果も関与しているという意見もあります。超音波反応は今までにない分子の反応性を引き出せるため、ポリマー合成でも試験的な活用が進められています。