澱粉ポリエステル(starch polyester)とは植物由来の澱粉とポリエステルによって製造させるポリマーアロイです。GSIクレオスによって開発が進められている生分解性プラスチックのマタビー(Mater-Bi)にも用いられているエコマテリアルです。澱粉はバイオ資源として入手しやすいものの、力学的性能が低く、加工性や耐水性も良くないという問題があります。プラスチック原料としての力学的性質を改善しつつ、生分解性を維持できる成分としてポリビニルアルコール(PVA)及び変性PVAが添加されたのが初期の澱粉ポリエステルです。さらにポリカプロラクトン(PCL)を添加することで耐水性が改善され、GSIクレオスによって製品化が達成されています。
澱粉、変性PVA、PCLの澱粉ポリエステルはまた-ビーZFO3Uとして販売されています。澱粉ポリエステルはフィルムや繊維として加工可能で、コンポストバッグやトレー、シートなどに応用されています。農園芸や土木・建築などで用いられる緩衝材にも応用が進められています。
現状では澱粉ポリエステルはGSIクレオスによるポリマーアロイの代名詞になっています。しかし、他のポリエステルとのアロイの形成も可能なので、今後多様な澱粉ポリエステル登場する可能性があります。