ポリペプチド(polypeptide)とはアミノ酸のペプチド結合によって生み出されるポリマーです。狭義ではα-アミノ酸がモノマーのときに限られますが、広義ではβ-アミノ酸やγ-アミノ酸がペプチド鎖に含まれていてもポリペプチドと呼びます。
アミノ酸がペプチド結合で連結した化合物は2つならジペプチド、3つならトリペプチドと呼ぶのが一般的です。構成されるアミノ酸の数が少ないときにはオリゴペプチドと呼ばれます。10個程度を目安にして、数が少ない場合にはオリゴペプチドと呼びますが、明確な定義があるわけではありません。
ポリペプチドは生物によって生合成されていて、折り畳みによって特徴的な立体構造を持つタンパク質として生産されています。人がポリペプチドを人工合成した場合には、必ずしも生物が生合成したタンパク質と立体構造は一致しません。ポリペプチドによるポリマー開発が難しい理由になっています。ただ、ポリグルタミン酸やポリリジンのように単一のアミノ酸をモノマーとするポリペプチドについては実用されています。生体親和性の高い素材や、食品用途での利用が主です。モノマーは天然から獲得できるため、バイオポリマー合成の方法としてもポリペプチドが注目されています。