PETSとはポリエチレンテレフタラートサクシネート(Polyethylene Terephthalate succinate)です。PETSは生分解性プラスチックの一種でDuPont社によって生産されています。
PETSはエチレングリコール、テレフタル酸、コハク酸の共重合によって合成されるポリエステル系の樹脂です。ペットボトルの素材として有名なPETはエチレングリコールとテレフタル酸の共重合によって合成されますが、生分解性はありません。芳香族エステルしかないPETとは違い、PETSは加水分解を受けやすい脂肪酸エステルが含まれていることから環境中で生分解が進みやすい性質があります。バイオ由来のコハク酸を利用することで、完全に石油由来ではないPETSが開発されています。100%バイオ化は実現されていませんが、生分解性がある点で環境負荷が小さいプラスチックとして活用されています。
PETSは結晶融点が195℃で、生分解性プラスチックの中では高くて高温にも堪えられるのが特徴です。密度も1.35程度でPET(密度1.34~1.39)に近い性質を備えています。そのため、PETS はPEFやPETGと並んで既存プラスチックの代替原料として注目されています。