重合禁止剤(polimerization inhibitor)とは重合防止剤や重合停止剤とも呼ばれる化合物です。モノマーの重合反応が開始するのを抑制する性質があります。重合が光や熱などで開始されてしまうモノマーの場合には保存するのが困難な場合があります。重合禁止剤を添加することで重合を抑制し、安定に保存できるようにすることが可能です。重合禁止剤が添加されているモノマーで重合反応をするときには、重合禁止剤を蒸留などによって除去してから用いる必要があります。
重合禁止剤としてよく用いられているのがラジカルスカベンジャーです。ヒドロキノンや2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(ジブチルヒドロキシトルエン)が光や酸素などに誘発されるラジカル重合の禁止剤として使われています。ラジカルスカベンジャーは反応系中に発生したラジカルを捕捉して重合反応を停止させるのが特徴です。ラジカル種との反応性が高く、反応後に安定なラジカルになって反応を停止させる重合禁止剤が大半を占めています。
重合禁止剤は数%~数十ppm程度の少量の添加で重合を停止させることが可能です。儒号禁止剤の活性の高さは抑制する重合反応の種類によって異なるため、適切な試薬を反応ごとに選ぶことが必要です。