樹脂・プラスチックは、石油・天然ガスを原料とする合成(有機)高分子化合物です。また、樹脂・プラスチックの態様は石油化学工業の領域・種類に入ります。また、石油化学工業とは、石油や天然ガスに含まれる炭化水素をスタート原料とする有機化学工業のことを指します。
日本は石油のほとんどを海外から輸入してします。輸入により海外油田から輸送されて来た原油は、貯蔵タンクエリアから石油精製工場に輸送されます。
貯蔵タンクエリアから石油精製工場に輸送されたダークブラウンの粘度が強い原油は、蒸留塔でさまざまな石油製品の種類に分類されます。
以下の分類種の中にある「ナフサ」が、石油製品原料の1つであり、日本では、大概の石油化学製品がナフサ原料から製造されています。
石油化学製品のフロー
原油(100%)は、常圧蒸留となり、その後以下の5つの種類に分けられます。また分子の大きさは、揮発油 < ナフサ < 灯油 < 軽油 < 残白湯 の順に分かれて製造されます。
- 揮発油(18%)
- ナフサ(7%)
- 灯油(12%)
- 軽油(11%)
- 残査油(52%)
上記の石油製品は沸点が異なり、また、石油蒸気(気体)から石油製品(液体)に転移する温度も異なります。この性質を使い、原油を加熱・沸騰させて得られる石油蒸気(気体)から各石油製品に製造分離させていくことができます。つまり、これを蒸留工程と言います。
ナフサの分解
ナフサは以下の種類に分解されます。
- エチレンの種類
- プロピレンの種類
- 留分の種類
- 分解油の種類
- オフガス・分解重油の種類
- 芳香族の種類
●低密度ポリエチレン:フィルム、ラミネート、電線被覆
●高密度ポリエチレン:成形品、フィルム、パイプ
●塩ビモノマー:塩化ビニル樹脂
●エチレンオキサイド:ポリエステル繊維、界面活性剤
●アセトアルデヒド:酢酸、酢酸エチル
●エチレンモノマー:ポリスチレン、合成ゴム、ポリエステル
●その他
●ポリプロピレン:成形品、フィルム、合成繊維
●アクリロニトリル:アクリル繊維、合成ゴム
●プロピレンオキサイド:ポリウレタン、ポリエステル樹脂
●アセトン・IPA・フェノール:メタクリル樹脂、フェノール樹脂
●ブタノール・オクタノール:可塑剤、塗料溶剤
●その他
●ブタジエン:合成ゴム
●その他
●ベンゼン・トルエン・キシレン
石油精製工場の中の蒸留工程を経てつくられたナフサは、今度はナフサ分解工場に輸送されます。
多くの石油化学基礎製品は、石油精製工場でつくられたナフサが多く使用されています。ナフサの見た目は、ガソリンと同様にクリアな液体です。
ナフサはナフサ分解工場の中で化学反応を行わせて、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの石油化学基礎製品に分離させます。具体的に言うと、ナフサ分解工場にあるナフサタンクから高温のナフサ分解炉を通り、分解ガス分溜装置によって、エチレンやプロピレンなどの各石油化学基礎製品の種類をつくり出します。ちなみに、ナフサ分解工場では、工場システムによって温度や反応の状況の管理が行われています。
また、石油化学基礎製品の種類成分の大きさは、エチレン < プロピレン < ブタジエン < ベンゼン < トルエン < キシレン の順に大きさが分かれています。
残査油の分解
残査油は以下の種類に分解されます。
- 重油の種類
- 軽油の種類