PHBHとはポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)(Poly(3-HydroxyButyrate-co-3-Hydroxyhexanoate)です。PHBHはPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)の一種ですが、(R)-3-ヒドロキシ酪酸と(R)-3-ヒドロキシヘキサン酸のみをモノマーとして使用しています。
PHBHは共重合ポリエステルなので化学合成も原理的には可能ですが、カネカによって微生物による発酵生産方法が確立されたことで注目を浴びています。デンプンやセルロースと同様に生物が生合成する天然ポリマーとして製造が可能で、発酵後に抽出と精製のプロセスを経て利用できます。
海水に浸すと40日程度で完全に分解する海洋分解性プラスチックという点も注目されています。分解にコンポストや土壌を必要としないため、一般的な生分解性プラスチックよりも環境負荷が小さいのが特徴です。
PHBHは規制の厳しいEUでも食品容器の素材として認められ、カトラリーや食品容器包装材などとしての利用が進められています。持ち帰り用のスプーンやフォーク、ナイフなどに加え、ストローやマドラーにも利用されているプラスチックです。