PBSAとはポリブチレンサクシネートアジペート(PolyButylene Succinate Adipate)です。1,4-ブタンジオールとコハク酸、アジピン酸の共重合によって合成されます。PBSAはPBS系樹脂の一種で、土壌中の細菌やカビなどによって分解される生分解性プラスチックです。でんぷんを添加して生分解性を向上させた樹脂製品も開発されています。
PBSAは昭和電工が「ビオノーレ」として世界的に販売されてきました。PBSAの原料のうち1,4-ブタンジオールとコハク酸をバイオ由来とする約50%植物由来のPBSAの製造にしています。しかし、昭和電工は競争が厳しい生分解性樹脂市場を2016年に撤退しました。その影響で世界的にPBSAの流通量が減少しています。
PBSAは農業用フィルム、漁業用ネット、ガーメントバッグ、ショッピングバッグなどの生産に用いられてきました。ポリオレフィンに近い物理的性質を持ち、軟質で加工性が高いのがPBSAの特徴で、パッケージ用フィルムなどへの応用も可能な素材です。生分解性が重視される世の中になり、PLAなどの他の生分解性プラスチックとの親和性も高い樹脂としてあらためて注目されています。