化学用語 用語集

PBS(ポリブチレンサクシネート/PolyButyleneSuccinate)とは

PBSとはポリブチレンサクシネート(PolyButyleneSuccinate)です。狭義では1,4-ブタンジオールとコハク酸のみの重合によって合成される樹脂ですが、広義では添加剤を用いて物理的性質を改変した樹脂も含みます。PBSはポリエステル系で環境中での分解が速く、生分解性プラスチックとしての機能を持ちます。モノマーの1,4-ブタンジオールとコハク酸をバイオマス由来で生産できるようになり、生分解性活バイオ由来の樹脂も販売されています。しかし、石油由来とバイオマス由来の原料を使用したPBSの製造が多いのが現状です。国内では三菱ケミカルや昭和高分子、海外ではデュポンなどが生産しています。

PBSは100℃近くまで使用できるため、生分解性プラスチックの中では耐熱性が高い性質があります。ヒートシール性とガスバリア性もあることから食器や食品包装材の用途での活用が進んでいる生分解性プラスチックです。また、PBSはPLAなどの他のバイオプラスチック、植物性ファイバーなどとの相溶性も高いため、複合プラスチックによる製品生産も進められています。成形加工性が高い汎用生分解性プラスチックとして注目されている素材です。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-, , , , , ,

関連記事

lca cfp

ポリ乳酸(PLA)/ポリエーテル共重合体とは

ポリ乳酸/ポリエーテル共重合体とは、ポリ乳酸(PLA・polylactic acid)とポリエーテルのブロック共重合によって合成される樹脂です。ポリエチレングリコール(PEG)などのポリエーテルの両端 …

lca cfp

エステル結合(ester bond)とは

エステル結合とは酸と水酸基の脱水縮合によって形成される共有結合です。狭義ではカルボン酸とアルコールによって形成された結合を意味しますが、広義ではスルホン酸やリン酸などの無機酸との脱水縮合によってできた …

lca cfp

フロンティア軌道理論(frontier orbital theory)とは

フロンティア軌道理論(frontier orbital theory)とはフロンティア軌道と呼ばれる軌道によって分子の性質や反応性を予測する化学理論です。フロンティア電子理論とも呼ばれていて、日本人の …

樹脂プラスチックの硬度一覧比較表

以下は、代表的な樹脂プラスチック材料の硬度を比較した表です。樹脂の硬度は、用途や特性に応じて変わります。一般的には、硬度の測定にはショア硬度(Shore AまたはShore D)やロックウェル硬度が使 …

lca cfp

共鳴構造(resonance structure)とは

共鳴構造(resonance structure)とはポーリングによって提唱された共鳴理論に基づく一連の化学構造で、個々の構造式は極限構造式とも呼ばれています。分子構造をルイス構造式で記述しようとした …