PBATとはポリブチレンアジペートテレフタレート(Polybutylene Adipate Terephthalate)です。PBAT はBASFによって生産されている生分解性プラスチックの一つで、比較的安価で加工性が良いことから市場が拡大しています。
PBATは引張強度やヤング率、密度などの物性が低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)に類似しています。環境負荷が小さい低密度ポリエチレンの代替プラスチックとしてPBATの活用が進められているのが現状です。PBATはラップやフィルム、コーティングなどの目的での利用が主流になっています。漁業や農業での消耗品の生産にもPBATの応用が進められています。
PBATは1,4-ブタンジオール、アジピン酸、テレフタル酸の共重合によって合成される樹脂です。アジピン酸と1,4ブタンジオールのエステル結合が生分解されやすいことから環境中でも分解される樹脂になっています。PBAT は1,4-ブタンジオールの発酵生産が可能になり、一部バイオ原料由来のPBATが生産されるようになりました。テレフタル酸とアジピン酸が発酵生産されるようになれば完全バイオ化もできる生分解性プラスチックです。