光学純度(optical purity)とは比旋光度の測定によって+体とー体の比率を求めることで導き出した光学活性体試料の純度です。光学活性体の旋光度はプラスまたはマイナスで同じ絶対値を持ちます。光学活性体の混合物の場合には旋光性が互いに打ち消されます。そのため、比旋光度の測定結果と、純粋な光学活性体の比旋光度の値があれば純度を評価することが可能です。
光学純度は試料の比旋光度を純物質の比旋光度で割って計算します。+体の純物質の比旋光度が+100°、試料の比旋光度が+50°だった場合には光学純度は+50°/+100°×100%=50%です。この場合の+体とー体の比率は75:25になります。ラセミ体の場合には比旋光度が0°になるため、純物質の比旋光度によらず一律で光学純度は0%と判断することが可能です。
光学純度はエナンチオマー過剰率と同じ値になります。しかし、一般的に光学純度は比旋光度の測定に基づいて算出するのに対して、エナンチオマー過剰率は他の方法も許容されます。HPLC分析などによって純度検定をした場合には光学純度と呼ばないのが原則です。しかし、慣用的に比旋光度以外の方法で導き出した純度についても光学純度と呼ばれることもあります。