化学用語 用語集

マルチブロック共重合体(multiblock copolymer)とは

マルチブロック共重合体(multibloc copolymer)とはブロック重合によって合成されるポリマーの一種です。オリゴマーやポリマーを単位として共重合するブロック共重合体の中で、ブロックが複数あるものをマルチブロック共重合体と言います。ブロック数が2つの場合にはジブロック共重合体、3つの場合にはトリブロック共重合体と表現するのが一般的です。マルチブロック共重合体はマルチセグメントブロック共重合体と呼ばれる場合もあります。

マルチブロック共重合体はブロックの種類や重合度を調整することにより、ポリマーに独特の機能を持たせることができる点で注目されています。力学特性や伸縮性、加工性などを自由に改変することができます。

マルチブロック共重合体はブロックの設計に自由度があるため、新規ポリマー素材の開発の際に活用されています。特許を取得しやすい状況がある影響で企業でも大学でも積極的な開発が進められています。マルチブロック共重合体の用途として多いのはイオン交換膜で、モザイク荷電膜によってセンサーなどに用いられるケースが増えています。生体親和性や生体吸収性の高いマルチブロック共重合体を合成することもできるため、医療材料としても応用も進められているのが現状です。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-, , ,

関連記事

lca cfp

価電子数が6個のみで電荷を持たない炭素のカルベン

カルベン(carbene)とは価電子数が6個のみで電荷を持たない炭素、またはこのような炭素を持つ化合物です。カルベンには共有結合に関与している2つの軌道の他に2つの軌道があります。2つの共有結合に2電 …

lca cfp

海洋生分解性プラスチック(marine biodegradable plastic)とは

海洋生分解性プラスチック(marine biodegradable plastic)とは生分解性プラスチックの中で、海洋でも生分解を受けて最終的には水と二酸化炭素に分解されるプラスチックです。生分解性 …

lca cfp

スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ) とは

スーパーエンプラとは、スーパーエンジニアリングプラスチック(Super Engineering plastic)の略語で、エンジニアリングプラスチック(エンプラ)を超える特性をもつプラスチック樹脂です …

lca cfp

ラジカル重合(radical polymerization)とは

ラジカル重合(radical polymerization)とはラジカル連鎖反応によってモノマーを重合させる方法です。ポリエチレンなどのアルケン化合物をモノマーとするポリマー合成で昔からよく利用されて …

lca cfp

相間移動触媒(Phase Transfer Catalyst / PTC)とは

相間移動触媒(Phase Transfer Catalyst)とは液相、固相などの二つの相の間を行き来することによって反応速度を向上させる触媒です。 典型的なのが水と有機溶媒の二相系の反応において、水 …