融点とは、熱をかけることで固体物質が液体に変わる転移温度のことを指します。樹脂プラスチックの中で、一般的に融点が存在するのは高密度ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性樹脂のみで存在し、ポリ塩化ビニルやアクリルなどの非結晶性樹脂にはガラス転移点のみが重要な意味を持ちます。
参考値として、結晶性樹脂の融点をご覧下さい。
結晶性樹脂の融点一覧
樹脂プラスチック名 | 融点の値 |
---|---|
低密度ポリエチレン(LDPE) | 130℃ |
高密度ポリエチレン(HDPE) | 141℃ |
ポリプロピレン(PP) | 160℃ |
ポリアセタール(POM) | 180℃ |
ナイロン6(ポリアミド6:PA6) | 225℃ |
ナイロン66(ポリアミド66:PA66) | 265℃ |
ポリブチレンテレフタレート(PBT) | 224℃ |
ポリフェニレンサルファイド(PPS) | 290℃ |
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK) | 343℃ |
※上記はデータは参考値です。ご使用の際は、実環境でご評価頂くことをおすすめします。
また、耐熱温度を観点とし、よく融点と比較して問われる質問として、連続使用温度と荷重たわみ温度があります。
連続使用温度とは
荷重を掛けないで、継続的に使用できる温度。具体的には、該当樹脂プラスチックを40,000時間指定温度の中に置き、処理後の物性値が初期値に比べ50%以上の強度が保たれている温度を「連続使用温度」と言います。
荷重たわみ温度とは
熱変形温度とも言われ、荷重を掛けた状態で耐えられる温度。一般的には、大幅に弾性率が変化するガラス転移点温度と同等の温度値になります。