プラスチック材料に繰返し荷重を与えたときの材料疲労
プラスチック樹脂材料は、繰返し荷重を与えると機械的強度が低下します。この強度の低下を疲労といいます。この疲労の具合は、材料種類によって異なります。
たとえば、硬質塩化ビニル樹脂においては、引張強さの初期強度5.2kg/㎟、繰り返し荷重10^7回の後の強度は、1.6kg/㎟となり、強度が31%低下することがわかります。
プラスチック材料 | 引張強さδB (kg/㎟) | 10^7回繰返し荷重後の引張強さδf (kg/㎟) | δf / δB |
---|---|---|---|
硬質塩化ビニル樹脂 | 5.2 | 1.6 | 0.31 |
メタクリル樹脂 | 6.5 | 2.0 | 0.31 |
AS樹脂 | 6.8 | 1.5 | 0.22 |
ポリカーボネート | 6.5 | 1.0 | 0.15 |
ポリアセタール(射出) | 7.1 | 3.0 | 0.42 |
不飽和ポリエステル(注型) | 4.0 | 1.6 | 0.40 |
ポリエステルガラスクロスFRP | 40.0 | 9.0 | 0.22 |
エポキシガラスクロスポリエステル | 33.4 | 15.5 | 0.47 |
アルミ合金 | 45 | 15 | 0.33 |
クリープ特性
試験材料に一定荷重を加えたときに起こる永久変形の値をクリープいいます。クリープは荷重および時間の関数で表せます、
プラスチック材料 | 充填材 | 荷重 (kgf/㎟) | クリープたわみ (mm)2年後 |
|
---|---|---|---|---|
ポリアミド(ナイロン6) | ガラス繊維 | 30 | 2.58 | 1.253 |
ポリアミド(ナイロン66) | ガラス繊維 | 20 | 2.40 | 1.650 |
ポリアミド(ナイロン66) | ガラス繊維 | 30 | 3.56 | 1.356 |
ポリカーボネート | ー | ー | 2.49 | 2.894 |
ポリカーボネート | ガラス長繊維 | 20 | 3.62 | 1.453 |
ポリカーボネート | ガラス長繊維 | 30 | 4.22 | 1.236 |
ポリカーボネート | ガラス短繊維 | 20 | 3.16 | 1.333 |
ポリカーボネート | ガラス短繊維 | 30 | 4.16 | 1.235 |
ポリアセタール(共重合体) | ー | ー | 2.10 | 5.228(1年10ヵ月) |
フェノール樹脂 | ガラス繊維・無機質 | 55 | 2.06 | 0.432 |
エポキシ樹脂 | 無機質 | 60 | 2.72 | 0.819 |
ジリアリルフタレート樹脂 | ガラス無機質 | 50 | 2.88 | 0.586 |