リビング重合(living polymerization)とは活性種が反応系において安定に存在する重合反応です。リビング重合出ない場合には活性種が反応系で停止反応を受けてしまい、自然に重合反応が止まります。しかし、リビング重合の場合には活性種が安定なので、モノマーが消失するまで重合が進むのが特徴です。活性種の成長末端を失活させないための反応条件を導き出すことがリビング重合をするためには必要です。
リビング重合が開発された初期にはアニオン重合が中心的でした。しかし、近年ではカチオン重合やラジカル重合、配位重合などによってリビング重合ができるようになっています。
リビング重合はポリマーの機能性を検討する上で重要な役割を果たしています。リビング重合が完了した後、異なるモノマーを添加すれば末端機能化ポリマーを合成することが可能です。また、ブロック重合をリビング重合でおこなったり、分岐ポリマーの合成をしたりすることもできます。
リビング重合の応用例としてスチレン・ブタジエン共重合体のアニオンリビング重合によって合成されている末端機能化ポリマーがあります。ポリマーの両末端をアミノ基やアアルコキシシリル基によって修飾・機能化することで物性を向上させたエラストマーが多数開発されています。