イオン重合(Ionic polymerization)とはイオン性の中間体を用いる付加重合です。イオン重合(Ionic polymerization)は中間体の種類によってアニオン重合とカチオン重合に分けられます。
アニオン重合では成長末端がアニオンになっているのが特徴で、その活性種がモノマーに付加反応を起こすことで伸長していきます。それに対してカチオン重合の場合には成長末端がカチオンになっているのが特徴です。
どちらの場合にも付加反応が進行した時点で新たにイオンが成長末端に発生することから、モノマーがある限りは連鎖的に反応が進行します。
イオン重合(Ionic polymerization)は反応活性が高くて伸長速度が速いにもかかわらず、制御も比較的行いやすいことが知られています。
モノマーの濃度を制御することで伸長速度を制御しやすく、重合度を任意の範囲に収めることが比較的容易です。
また、使用するイオンの組み合わせによって活性種の安定性と反応性に違いが生じるのが特徴で、例えばアニオン重合であればカチオンとしてリチウムイオンを使用するかカリウムイオンを使用するかで大きく反応の性質が変わります。
適切なイオンを選んで安定な成長末端が形成されるようにすることでリビング重合へも応用ができるため、多様なポリマーの合成に使用されている重合反応です。