高分子とは分子量が大きい分子を全般的に指します。分子量が小さい小分子、小分子と高分子の中間的な位置にある中分子という言葉もよく用いられています。
ただし、分子量によって具体的に高分子が定義されているわけではありません。IUPACでは低分子の実質的あるいは概念的な繰り返しによって構成されている構造を高分子としています。
モノマーの重合によって合成されるポリマーは、IUPACの定義に従うと分子量にかかわらずに高分子です。高分子にはでんぷんやセルロース、タンパク質やDNAなどの生体物質もあれば、合成樹脂や合成繊維、ガラスや合成ゴムなどの合成された物質もあります。
基本的には1つまたは複数のモノマーを重合させて合成されています。同じ種類の高分子でも分子量は一定ではない場合がほとんどです。重合反応によって単一の分子量の高分子を合成するのは困難で、一定の分子量範囲に大半の分子が含まれるように合成されています。生体内でたんぱく質やDNAが合成されるときには精密な酵素反応によって同じ分子量の高分子を生合成しています。
化学合成では連鎖反応や基質認識の甘い触媒反応を用いているため、広い分子量範囲の高分子が合成されるのが一般的です。