官能基(functional group)とは有機化合物に含まれている原子団です。特定の名称が付けられている場合が多く、化合物の物理的性質や化学的性質を特徴付ける部分構造です。官能基は有機化合物の反応性を予測するのにもよく用いられています。化学的または物理的な性質に主要な影響を及ぼす原子が酸素の官能基は酸素官能基、窒素場合には窒素官能基と呼ぶのが一般的です。
酸素官能基には水酸基、カルボニル基、カルボキシル基などがあります。窒素官能基にはアミノ基、シアノ基、グアニジノ基が代表例です。クロロ基やブロモ基のように単一原子から成る官能基もあります。 官能基は1つの有機化合物に複数存在する場合があります。エタノールは水酸基を1つだけ持つ有機化合物ですが、エチレングリコールは2つの水酸基を持ちます。エタノールアミンは1つの水酸基と1つのアミノ基を有する化合物です。グリシンはアミノ基とカルボキシル基を持つアミノ酸です。複数の官能基が存在すると物性や反応性も変化します。
例えば、グリシンのように塩基性官能基と酸性官能基が共存する場合には塩が形成され、中性に近い性質を持ちます。有機化合物の官能基は分子内・分子間の相互作用に影響を及ぼす原子団で、化合物の特徴を理解するのに有用な構造情報になります。