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フッ素樹脂(Fluorocarbon Resin)の歴史
フッ素樹脂(Fluorocarbon Resin)とは、1934年ドイツではPCTFE(ポリ三フッ化塩化エチレン)、1938年アメリカではPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が開発されたのがフッ素樹脂(Fluorocarbon Resin)の始まりです。その後1950年にDu Pont社がはじめてPTFEの量産をスタートさせました。日本では、1954年ダイキン工業がPCTFE、1955年にPTFE製造スタートさせ、三井フロロケミカルでは1965年にPTFEを製造し始めました。また、溶融成形が可能なフッ素樹脂は、ダイキン工業ではFEP(四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体)、三井フロロケミカルではPFA(四フッ化エチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、旭硝子ではETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)を、各日本メーカーが製造し始めました。
フッ素樹脂(Fluorocarbon Resin)の構造式
※画像出典:wikipedia
フッ素樹脂(Fluorocarbon Resin)の製造方法
フッ酸とクロロホルムより合成されたフレオン22(CHCIF2)を熱分解して、四フッ化エチレンモノマーをつくります。これを元に、塊状、懸濁、乳化重合等によって製造します。
フッ素樹脂(Fluorocarbon Resin)の特長
- 耐熱性に優れており、連続使用温度が高いです。しかし、常温での機械的強度は低いです。
- 工業製品、溶剤に対しては、不活性。
- 電気絶縁性に優れており、高周波領域での誘電正接は樹脂のなかでも最も小さいです。
- 摩擦係数が樹脂の個体の中でも最も低いです。(PTFE)
フッ素樹脂(Fluorocarbon Resin)の成形加工条件
室温でプリフォーム成形した場合:360~380℃で焼成
シリンダー温度:PFA(380~420℃)、FEP(360~380℃)、ETFE(280~320℃)
フッ素樹脂(Fluorocarbon Resin)メイン用途
フッ素樹脂(Fluorocarbon Resin)は、電子・電気部品関係では、コネクターやコイルボビン、電線被覆材などで使用されています。また、耐薬品性に優れている理由で、ケミカルポンプやIC洗浄冶具にも使われています。その他では、ドーム球場のテントやフライパンのコーティング剤やシールパッキンなどの用途でも使用されています。