発熱反応・吸熱反応(exothermic reaction/endothermic reaction)とは化学反応の進行の際に発生する熱についての反応の分類です。発熱反応では化学反応が進行したときに熱が系外に発生して温度が上昇します。吸熱反応では反応が進行した時点で熱が系内に吸収されて温度が低下するのが特徴です。
化学反応が発熱反応か吸熱反応かは原系と生成系によって変わります。系全体のエネルギーをエンタルピーとして計算し、エンタルピーが減少する場合には発熱反応、増加する場合には吸熱反応です。
発熱反応の場合には反応の進行に伴って系の温度が上昇するため、反応が加速されて暴走するリスクがあります。発熱反応の制御では冷却器を使用して温度管理をすることが重要です。高分子の大量合成をする際には、スケールアップによって温度制御が難しくなることが多いので注意が必要で、スケールに合わせた反応設計が求められます。
吸熱反応では反応の進行によって系の温度が低下してしまい、反応が停止することがあります。吸熱反応を連続的に進行させたい場合には系外から熱を加えることが必要です。吸熱反応の反応制御では適切な加温を維持しなければならないため、スケールに応じた温度や攪拌の設定が高分子合成では重要になります。