エステル化(Esterification)とはカルボン酸をエステルに変換する化学反応です。狭義ではカルボン酸とアルコールから直接エステルを合成する方法を指しますが、広義では酸無水物や酸ハロゲン化物などを経てエステルを合成する方法や、アルコールではなくハロゲン化アルキルを用いる求核置換反応でのエステル合成法も含みます。
狭義のエステル化(Esterification)では酸触媒を用いて縮合をするのが一般的な方法で、最も古くから行われているのは硫酸などの強いプロトン酸を使用する方法です。
酸触媒によるエステル化(Esterification)は可逆反応で、エステル化(Esterification)によって生成した水により生成物のエステルが加水分解を受けてカルボン酸とアルコールに戻ることも知られています。
そのため、高い変換率を達成する目的で脱水剤を添加したり、蒸留による水の除去が行われたりすることも少なくありません。また、プロトン酸以外にもルイス酸を使用したり、固体酸を用いたりする方法も応用されています。
狭義のエステル化(Esterification)はポリマー合成にもよく用いられています。カルボキシル基と水酸基を持つ分子の単独重合にも使われていますが、より一般的なのはPETの合成のようにジカルボン酸とジオールのエステル重合です。
環境中での分解性が優れている場合もあるため、生分解性プラスチックの合成でも注目されています。