重合度(degree of polymerization)とは高分子を構成するモノマー単位の数を指します。モノマーAを単独重合させてAAA…Aという高分子を合成した場合にはAの数が重合度です。モノマーAとモノマーBの共重合によってABABAB…ABとした場合には、ABを繰り返し単位と考えてAB単位の数を重合度とします。重合度によって同じモノマー単位でも物性に違いが生じるため、重合の際には重合度の制御が必要です。
重合度は分子単位で見れば一義的に決まりますが、重合反応では完全に単一の重合度になることはありません。確率論的に活性末端での伸長するため、重合度には必ずばらつきが発生します。そのため、高分子の性質と重合度の関係を評価するときには重合度分布を考えるのが一般的です。数平均重合度、年度平均重合度、重量平均重合度、Z平均重合度といった指標がよく用いられています。
重合度を導き出すには高分子の分子量を測定することが必要です。質量分析や光散乱、遠心沈降平衡などの測定を通して平均分子量を導出したら、以下の計算式に基づいて重合度を算出できます。
高分子の平均分子量=モノマー単位の分子量×平均重合度
重合度は平均値だけでなく分布も重要です。分布によって高分子の物性が変化するため、平均値はあくまで指標として用いるだけで、開発では重合度分布が重視されています。