クロスカップリング反応(Cross Coupling Reactions)とは異なる二種類の分子を結合させる反応を全般的に指します。同じ種類の分子を結合させるのがホモカップリング反応と呼ばれるのに対し、ホモカップリング反応を起こさずに異種間での結合形成をするのがクロスカップリング反応(Cross Coupling Reactions)の特徴です。
クロスカップリング反応(Cross Coupling Reactions)の中でも特に有名なのが2010年のノーベル化学賞で取り上げられたパラジム触媒を用いるクロスカップリング反応(Cross Coupling Reactions)です。
これは異なる二種の分子にタグとなる構造としてハロゲンと金属をそれぞれ用意し、そのタグ同士の結合形成をパラジウム錯体によって触媒するのが特徴です。
例えば、鈴木ー宮浦カップリング反応ではハロゲン化アリールと有機ホウ素化合物を用いることで、ハロゲン、ホウ素の結合していた部分で異種間の新しい結合が形成されます。
ヘック反応のようにハロゲン化アリールとアルケン化合物を用いる設計になっていて化合物内に金属を必要としないクロスカップリング反応(Cross Coupling Reactions)もあります。
このように分子にタグを付けることによってホモカップリング反応を抑制しています。これによって意図している部分で結合形成をさせることが可能になったため、多様な分子の合成に応用されています。