バイオポリマー(biopolymer)とは植物や動物、微生物などの生物由来の原料から合成されるポリマーです。バイオポリマーは広義では生物が合成するタンパク質や核酸、多糖類などの天然高分子を含みますが、ポリマー分野ではバイオ原料を用いて人が合成したポリマーを指します。
バイオポリマーは大別すると植物などが従来生産する物質や植物体そのものを利用している場合と、バイオマスを発酵原料として用いて微生物による発酵でモノマーを生産している場合があります。前者ではデンプンやセルロース、キチンやキトサンなどが典型例です。また、デンプンを発酵させて乳酸を合成し、重合によってポリ乳酸を生産するというアプローチもあります。後者ではトウモロコシやサトウキビなどに由来する糖蜜を利用して微生物の発酵によりモノマーを合成します。遺伝子組み換え技術の発達によって高効率的にモノマー合成をおこなえるようになり、従来は石油原料を用いていたモノマーもバイオ化されてきています。
バイオポリマーによる製品供給は脱石油を目指す上で重視されています。生物由来の再生可能な原料からポリマーを合成すれば地球環境問題の対策をしながら有用なポリマーを供給できるからです。