化学用語 用語集

芳香族求電子置換反応(aromatic electrophilic substitution reaction)とは

芳香族求電子置換反応(aromatic electrophilic substitution reaction)とは芳香環上で進行する求電子材との置換反応です。芳香環が求核剤となり、求電子剤と反応して芳香環上の原子が置換されます。一般的に芳香族は共鳴による安定化を受けていて反応性が低いと言われていますが、電子状態によっては高い反応性を示すことも稀ではありません。ヘテロ芳香環ではインドールやピロールのように高い求核性を持つ構造もあります。ベンゼン環でも電子供与性のあるアミノ基やアルコキシ基を有する場合に電子密度が高くなり、求核性を持つのが一般的です。強い求電子剤で処理した際にはアレーニウムイオン中間体を経て芳香族求電子置換反応が進行します。 

芳香族求電子置換反応として有名なのはFreidel-Craftsアルキル化反応・アシル化反応です。ハロゲン化アルキルや酸ハライドに塩化アルミニウムを触媒として作用させることで、アルキルカチオンやアシリウムイオンといった強力な求電子剤を発生させて芳香族求電子置換反応を進行させます。 

高分子合成でも芳香族求電子置換反応が活用されています。架橋剤によって芳香環を架橋する際にはフェノールなどの求核性の高い芳香環を利用して求電子剤を作用させるのが常套手段です。 

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-,

関連記事

lca cfp

可逆反応(reversible reaction)とは

可逆反応とは原系から生成系への進行だけでなく、生成系から原系への進行も起こる反応です。想定している正方向の反応とは逆方向の反応もエネルギー的に起こり得るときに可逆反応と呼びます。 可逆反応は原系と生成 …

lca cfp

射出成形の成形温度(射出温度・整形温度)の一覧データ

樹脂プラスチックの射出成形では、各樹脂の種類に応じて最適な成形温度があります。成形温度は、材料の種類、金型温度、射出時の樹脂温度などに大きく影響されます。以下に、代表的な樹脂プラスチックの射出成形にお …

lca cfp

ポリベンゾオキサジン(POLYBENZOXAZINES)

目次1 ポリベンゾオキサジンの物性2 市販のポリベンゾオキサジン3 ポリベンゾオキサジンの用途 ポリベンゾオキサジンの物性 ポリベンゾオキサジンは、従来のフェノール樹脂に似ていますが、揮発性物質を生成 …

lca cfp

アゴスティック相互作用(agostic interaction)とは

アゴスティック相互作用(agostic interaction)とは遷移金属と配位子のC-H結合の間で形成される三中心二電子結合の一種です。アゴスティック相互作用は中心金属の空のd軌道に対して、C-H …

lca cfp

【射出成形】シルバーストリークの不良原因と対策

目次1 シルバーストリーク(Silver streaks)とは2 シルバーストリーク(Silver streaks)の主な不良原因3 シルバーストリーク(Silver streaks)の不良対策 シル …