アルドール反応(aldol reaction)とはカルボニル化合物同士が塩基性または酸性の条件下で起こす求核付加反応です。カルボニル基のα位に酸性プロトンを有するカルボニル化合物がエノールまたはエノラートになって求核剤として働き、別のカルボニル化合物のカルボニル炭素に求核付加反応を起こすことで、β-ヒドロキシカルボニル化合物(アルドール)が生成します。
アルドール反応は炭素―炭素結合を温和な反応条件で形成できるため、有機化合物の合成では汎用されています。アルデヒドやケトンのように反応性の高いカルボニル基を持つ化合物がよく用いられています。
アルドール反応には同種の分子間で起こる反応と異なる分子間で起こる交差アルドール反応があります。同種の分子間でのアルドール反応は重合反応の一種です。アセトアルデヒドの酸または塩基触媒による従業はポリビニルアルコールの合成ができます。ただ、反応の盛業が難しいことから、アルドール反応によるポリマー合成の例はあまり多くありません。交差アルドール反応は反応の制御がさらに難しいため、重合反応で応用されている事例がほとんどありません。しかし、向山アルドール反応などの方法論が確立されているため、医薬品や農薬などの精密合成では交差アルドール反応がよく用いられています。