活性化エネルギー(activated energy)とは化学反応で原系から生成系に至るときに乗り越えなければならないエネルギー障壁です。化学反応を進行させるために外部から加える必要があるエネルギーとも表現できます。熱や光によるエネルギーを与えて活性化エネルギーを超えたら反応が進行します。
化合物が安定に存在できるのはさまざまな反応の活性化エネルギーが高いからです。プラスチックが日常的に利用できるくらいに安定なのは、水や酸素などとの反応の活性化エネルギーが高くて反応しにくいのが理由です。安定で利用価値が高い素材を開発するには、使用環境でさらされる可能性がある条件を考慮して、活性化エネルギーを超えるリスクがない素材に仕上げる必要があります。
化学反応によってプラスチックなどの有用物質を効率的に合成するには活性化エネルギーを下げる必要があります。触媒作用が活性化エネルギーを下げる目的で活用されています。触媒は反応を進行しやすくするのが特徴で、になっている役割は活性化エネルギーの低下です。より小さなエネルギーで反応を進行させられるため、安価かつ迅速に合成を進められます。触媒によって活性化エネルギーを下げるのはプラスチックの合成だけでなく分解・再利用にも利用されている技術です。