元となる合成樹脂の種類には、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の2種類があります。それぞれは特徴を持った樹脂であり、樹脂製品が使用される用途や環境に合った選定が可能です。
①【熱可塑性樹脂】
熱可塑性樹脂とは、合成樹脂の一種で、常温では固い樹脂プラスチックが熱で温度をかけると溶け始め、その後冷やすとその状態で固まります。さらに、再度熱をかけるとさらに形状が変化します。このように、熱をかけたり冷やしたりすることで形状を変化させることが出来る樹脂プラスチックのことを熱可塑性樹脂と呼びます。
また、熱硬化性樹脂には、大きく分けて下記3つに分類出来ます。
汎用プラスチック(熱可塑性樹脂)
汎用プラスチックとは、私生活で頻繁に使用される樹脂・プラスチックのことを指し、素材自体が安く、加工量産性があります。すべての樹脂・プラスチックの中で、この汎用プラスチックは約8割のシェアを占めます。
エンジニアリングプラスチック(熱可塑性樹脂)
エンジニアリングプラスチック(エンプラ)とは、汎用プラスチックでは満足出来ない強度や丈夫さ、耐熱性や耐薬品性などの高い性能に耐え得る樹脂プラスチックのことを指します。通常、耐熱性が100〜150度、曲げ弾性率が2.4GPa以上、強度が50MPa以上の樹脂プラスチックのことをエンジニアリングプラスチックと呼びます。
スーパーエンジニアリングプラスチック(熱可塑性樹脂)
スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)とは、エンジニアリングプラスチックの耐熱性範囲である150度を超えても長時間耐熱性能を保持出来る樹脂プラスチックのことを指します。
②【熱硬化性樹脂】
熱硬化性樹脂とは、熱可塑性樹脂とは異なり、熱をかけて変形させ冷やした樹脂プラスチックを、再度熱をかけて変形させることはできません。つまり、この熱硬化性樹脂は、一度熱をかけた後に冷やして固めた樹脂プラスチックを二度と変形させることができないものになります。また、熱硬化性樹脂の分類には、熱可塑性樹脂のような汎用やエンプラ、スーパーエンプラの区分けはありません。