用語集

粘弾性の比較一覧表

樹脂プラスチックの粘弾性を比較する際に、各素材の特性(粘性、弾性、引張強度、伸び、ガラス転移温度、動的弾性率など)を考慮することが重要です。以下は、一般的な樹脂プラスチックの粘弾性特性を比較した一覧表です。

樹脂プラスチックの粘弾性比較一覧表

樹脂の種類粘性弾性引張強度 (MPa)伸び (%)ガラス転移温度 (℃)動的弾性率 (MPa)
ポリエチレン (PE)低〜中低〜中10-30100-1000-100〜-30200-800
ポリプロピレン (PP)20-40200-700-20〜0800-1500
ポリスチレン (PS)30-501-31003000-4000
ポリ塩化ビニル (PVC)40-6010-5070-801500-3000
ポリアミド (ナイロン, PA)中〜高60-9010-20040-701000-3500
ポリエチレンテレフタレート (PET)50-8010-20070-803000-4000
ポリカーボネート (PC)60-8050-1201502200-3500
ポリウレタン (PU)低〜中20-50300-600-50〜20500-1500
ポリアセタール (POM)60-8010-60-60〜03000-3500
アクリル (PMMA)60-802-51003000-4000
エポキシ樹脂 (EP)50-1001-51503500-5000

説明

  • 粘性: 低いほど流動しやすく、高いほど形状が保持されやすいです。
  • 弾性: 高いほど変形後に元の形状に戻りやすいです。
  • 引張強度: 材料が破断するまでの引っ張り力の強さです。
  • 伸び: 破断するまでに材料が伸びる割合です。
  • ガラス転移温度 (Tg): 材料がガラス状からゴム状に転移する温度です。
  • 動的弾性率: 弾性の指標で、高いほど硬い材料であることを示します。

この一覧表は一般的な範囲を示しており、実際の材料特性は使用条件や製造プロセスによって異なる場合があります。また、新しい材料や複合材料の場合、それぞれの特性が異なることがありますので、特定の用途に応じた詳細なデータシートを参照することをお勧めします。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-用語集
-

関連記事

lca cfp

融点とは?【融点一覧表】

融点とは、熱をかけることで固体物質が液体に変わる転移温度のことを指します。樹脂プラスチックの中で、一般的に融点が存在するのは高密度ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性樹 …

lca cfp

電離(ionization)とは

電離(ionization)とは電荷的に中性の分子がカチオンとアニオンに分離する現象です。広義では原子や分子が電子を授受することによってカチオンまたはアニオンになることを指します。狭義では電解質を水に …

lca cfp

スパイラルフロー試験

射出成形機に特殊な金型を取り付け、溶融脂を射出し成形品をつくり、この成形品の状態から成形材料の流動性を試験する方法で、直接、射出成形機を使って、成形条件に合わせた試験ができます。 以下に、高密度ポリエ …

滑り性(摩耗特性)の測定方法種類一覧比較表

以下は、樹脂プラスチックの滑り性(摩擦特性)を測定するための代表的な方法をまとめた比較表です。滑り性は、材料の表面が他の物体との接触でどれだけ摩擦抵抗を持つかを評価するために測定され、これにより材料の …

lca cfp

ポリオレフィン(POLYOLEFINS)・ポリアルケン(POLYALKENES)とは

目次1 ポリオレフィン・ポリアルケンの物性2 市販のポリオレフィン・ポリアルケン3 ポリオレフィン・ポリアルケンの用途 ポリオレフィン・ポリアルケンの物性 ポリアルケンとも呼ばれるポリオレフィンは、最 …