分子量(molecular mass)とは分子1モルの質量のグラム数です。分子の相対質量として用いられています。分子量は分子を構成する原子の原子量の総和として求めるのが一般的です。原子量は炭素12に対する総価質量として定義されています。原子量も分子量も各種組成は天然組成に等しいことを仮定して計算されるのが通例です。
分子量は共有結合によって形成されている分子に対して適用される相対質量で、イオン結合や金属結合などによって形成されている物質には用いません。分子量は分子の物性を予測・評価する指標として用いられます。高分子では重合度によって分子量分布が異なり、物性に大きな変化を与えます。融点や沸点、粘性やなどのさまざま物性に影響を与える因子です。そのため、平均分子量を揃えるようにして物性管理をするのが一般的です。
また、小分子の分子量は質量から分子数を計算する際にも用いられます。医薬品や農薬の分野では分子の活性を評価する際に分子数に基づいて計算するのが一般的です。質量を分子量で割ることにより分子数を計算することができるため、1分子あたりの活性の高さを算出可能です。1分子あたりの活性を求めると、分子量の異なる分子の活性を比較することができます。