電気分解反応(electrolysis)とは電解質溶液に外部から電気エネルギーを加えることによって電解質を分解する反応です。陽極と陰極を電解質溶液に挿入し、直流電源から送られる電気エネルギーによって電極上で酸化還元反応を起こします。陽極では電子が奪われるため酸化反応が進行し、陰極では電子が供給されるので還元反応が起こる仕組みになっています。
電気分解反応で有名なのは水の電気分解です。水は水中で電離して水素イオンと水酸化物イオンになっています。水に直流電流を流すと陽極では酸化反応が進行して酸素分子が発生し、陰極では還元反応が進行して水素分子が発生します。また、塩化ナトリウム水溶液の電気分解では陽極に炭素、陰極に鉄を用いると陽極では塩化物イオンが酸化されて塩素分子が発生します。陰極では水が還元されて水素分子が生み出されます。
電気分解反応は陽極・陰極の種類や電解質の種類によって起こる反応に違いがあります。例えば、硝酸銀水溶液の電気分解のときに陽極として銅を用いた場合には、陽極の銅が酸化されて銅イオンになって溶解していくため、陽極で塩素分子は発生しません。電気陰性度の高さによって電気分解反応で起こる反応は制御されています。