複屈折とは、異方性のある物質に光が入射する際、2つの屈折光が現れる現象です。異方性のある物質というのは、弾性や屈折率が方向によってことなる物質であり、結晶や液晶がそれに該当します。逆に、等方性のある物質は、気体や水、ガラスなどがあります。
異方性のある物質で複屈折が生じたとき、位相差(レタデーション)が現れます。位相差というのは位相のずれを意味し、位相とは光や波動など周期的に繰り返される一周期のうち、ある周期局面のことを指します。
なぜ位相差(レタデーション)が生じるかというと、異方性のある物質中を光が通過するとき,振動面の向きによってその進む光の速度(屈折率)が異なるためです。なので、通過する速度の差分が位相差になります。
よくx軸、y軸で表しますが、光の進む速度が速い方位(位相が進む)をその位相子の「進相軸」、逆に遅い方位(位相が遅れる)を「遅相軸」と呼びます。進相軸と遅相軸を総称して、複屈折の「主軸」と呼んでいます。
複屈折が何に影響を及ぼすかというと、たとえば液晶パネルの場合、使用される光学フィルム等に関しては複屈折を抑えたものになっていますが、その理由は複屈折による色むらや二重像を抑えるためです。