光化学オキシダント(photochemical oxidant)とは窒素酸化物や炭化水素が紫外線によって光化学反応を起こして発生する酸化性物質です。工場の排煙や自動車の排気ガスなどが原因で発生することが多く、人に刺激性があることから環境課題として発生防止の取り組みが進められています。
光化学オキシダントとして代表的なのはオゾン、PAN(ペルオキシアシルナイトレート)、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類です。空気中で高濃度になるともやがかかった状態になり、光化学スモッグになります。太陽の光が強く、気温が高くて風が弱い日には光化学オキシダントの濃度が上がりやすくなります。光化学反応が促進されることに加え、発生した光化学オキシダントが拡散しにくくなるからです。
光化学オキシダントや光化学スモッグは粘膜の刺激性が高いのが特徴です。目がチカチカする、喉が痛い、涙が止まらない、咳が出るといった症状が出るのが一般的です。光化学スモッグが発生して大気汚染が継続すると予想されるときには、光化学オキシダント濃度によって注意報や警報が発令されます。1時間値で0.12ppm以上では注意報、0.24ppm以上では警報、0.4ppm以上では重大警報が発令されます。