ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)は炭素原子、水素原子、フッ素原子から構成される化合物で、フロン類の中で代替フロンに該当します。ハイドロフルオロカーボン類の中で代表的な物質にはHFC-125(CHF2CF3)、HFC-134a(CH2FCF3)、HFC-152a(CH3CHF2)などがあります。
多様な性質のハイドロフルオロカーボン類が開発されて用途も広がり、現在では最もよく使用されているフロン類です。冷蔵庫やカーエアコン、業務用空調などの冷媒、スプレーや発泡剤、洗浄剤や消火剤などとして幅広く活用されています。
ハイドロフルオロカーボン類はフロン類の中でもオゾン層破壊能力がないのが特徴です。代替フロンとして活用が急速に広まりましたが、ハイドロフルオロカーボン類の地球温暖化係数は二酸化炭素の数百倍~1万倍以上あるという問題も持っています。そのため、1997年に京都議定書で排出削減対象の温室効果ガスに加えられてから規制が進められています。2016年の地球温暖化の防止に貢献するキガリ改正によって、ハイドロフルオロカーボン類は先進国では2036年までに85%削減、途上国では2045年頃までに80%削減のスケジュールを立てています。