海洋生分解性プラスチック(marine biodegradable plastic)とは生分解性プラスチックの中で、海洋でも生分解を受けて最終的には水と二酸化炭素に分解されるプラスチックです。生分解性プラスチックは自然界に存在する微生物の働きによって分解されるのが特徴で、生分解性プラスチックが注目されているのは、プラスチックごみによる環境汚染の課題を解決しなければならないからです。
ただ、今までに開発されてきた生分解性プラスチックはコンポストを使用しなければ十分な分解速度が得られない場合が多くなっています。誰もがコンポストを使ってプラスチックごみを処理してくれれば良いですが、現実的には難しいでしょう。実際には自然界に投棄されたプラスチックごみが自然に還る仕組みを作る必要があります。海洋生分解性プラスチックはもし投棄されて最終的に海に流れついたとしても、海洋中の微生物によって分解される点で優れています。
海洋生分解性プラスチックが普及すれば海辺に打ち上げられているプラスチックの増加を食い止められるでしょう。ただ、環境調和の観点では海洋生分解性プラスチックが必要ですが、倫理面に悪影響を及ぼす懸念もあります。プラスチックごみは海に捨てて良いという考え方が浸透しないように教育も進める必要があります。