Contents
超高分子ポリエチレン(UHMW-PE)の歴史
超高分子ポリエチレン(Ultra High Molecular Weight Polyethylene/UHMW-PE)は、日本では1958年に三井石油化学が工業化をスタートさせました。凡庸HDPEとは違った物性メリットがあり、エンジニアリングプラスチックとしての使用が期待されていましたが、超高分子量になっている理由で成形加工が難しく、需要量も他のエンプラに比べるとかなり少ない状況でした。最初の頃、成型加工方法は圧縮成形だけでしたが、その後2軸・ラム押出機などの押出し成形や、インジェクション成形、連続シート成形、ホットスタンピング法などが開発されていましたが、成形性の向上にはまだ遠く加工技術のイノベーションを期待されています。但し、超低温特性の技術展開には期待が持てる品物となっています。
超高分子ポリエチレン(UHMW-PE)の構造式
※画像出典:wikipedia
※SG:0.92~0.94
※粘度平均分子量が100~400万ぐらいのものをUHMW-PE(もしくはHDPE)と記載しています。また、凡庸HDPEは分子量が5~30万ぐらいです。
超高分子ポリエチレン(UHMW-PE)の製造方法
一般的な高密度PEと同じように、チーグラー触媒を使った低重圧合法を行い製造します。
超高分子ポリエチレン(UHMW-PE)の特長
- 耐摩耗性が非常に良く、自己潤滑性に優れています。
- 耐衝撃強に関しては樹脂の中でも最高レベルで、ポリカーボネートより優れています。また、温度が低下しても耐衝撃性が劣りません。
- 電気特性が非常に良いです。
- 吸水性が無く、耐薬品性にも優れています。
- 耐寒性が非常に良く、-269℃までの使えます。
- 毒性がありません。
超高分子ポリエチレン(UHMW-PE)の成形加工条件
180~220℃ (加熱時間40分、10mm厚)
180~240℃
超高分子ポリエチレン(UHMW-PE)のメイン用途
超高分子ポリエチレン(Ultra High Molecular Weight Polyethylene/UHMW-PE)は、スポーツ分野ではスライダーやスケートリンク、スキー板などに使用され、ライニング関係ではホッパーやサイロのライニング、食品機械ではホッパーやロールに使われています。また、化学機械などではバルブやポンプ、ガスケット、製紙機械ではサクションボックスカバー、その他農具関係にも使用されています。