電磁波シールド成形材料の特性について
電磁波シールド成形材料は、外部からの電磁波を遮断するための特性を持つ素材で、特に電子機器や医療機器など、電磁波の干渉を防ぎたい場面で利用されます。これらの材料には、機械的な強度、電気的特性、耐熱性などの様々な特性が求められます。
以下に、電磁波シールド成形材料の特性の一例を参考値として示します。
電磁波シールド成形材料の特性例(参考値)
特性項目 | 参考値 |
---|---|
比重 | 1.45 〜 1.50 |
熱変形温度 [℃] | 92 〜 104 |
成形収縮率 [%] | 4 〜 5 |
伸び [%] | 6 〜 10 |
曲げ弾性率 [kg/mm²] | 270 〜 280 |
曲げ強さ [kg/mm²] | 6.5 〜 7.0 |
引張強さ [kg/mm²] | 4.0 〜 4.5 |
衝撃強さ(アイゾッドノッチ付)[kg cm/cm] | 13 〜 16 |
燃焼性(UL) | HB 〜 V₀ |
体積抵抗率 [Ωcm] | (3 〜 5 \times 10^{-3}) |
各特性の解説
- 成形収縮率: 成形後の収縮の度合いを示し、4〜5%の範囲です。成形時の寸法安定性を考慮する上で重要です。
- 比重: 1.45〜1.50で、軽量かつ強度を確保する必要がある用途に適しています。
- 引張強さと伸び: 引張強さは4.0〜4.5 kg/mm²、伸びは6〜10%で、材料が引っ張りに耐えられる力や柔軟性を表します。
- 曲げ強さと曲げ弾性率: 曲げ強さは6.5〜7.0 kg/mm²、曲げ弾性率は270〜280 kg/mm²で、曲げに対する耐性と弾力性を示しています。
- 衝撃強さ: 衝撃強さは13〜16 kg cm/cmで、耐衝撃性が求められる用途にも適しています。
- 熱変形温度: 92〜104℃で、熱による変形に対する耐性が確認できます。
- 体積抵抗率: 3〜5 × 10⁻³ Ωcmの低い抵抗率で、電磁シールドとしての性能を発揮します。
- 燃焼性(UL): UL規格に基づく燃焼性評価で、HBからV₀までの範囲となっています。火災リスクを軽減するための指標です。
このように、電磁波シールド成形材料は、機械的特性や電気的特性、熱的特性のバランスが取れているため、電子機器のカバーや筐体など、シールド機能が必要とされる部品に適しています。