電気材料の導電率について
導電率は、物質が電流を通す能力を示す指標です。電気材料はその導電率によって大きく分類され、用途に応じて使い分けられます。以下では、導体、半導体、絶縁体の分類と、それぞれの導電率範囲について解説します。
導電率の分類
下記表には各材料の導電率範囲が示されています。導電率(S/m)の対数スケールを使って分類が行われており、導体から絶縁体まで幅広い材料が示されています。
種類 | 導電率の範囲(S/m) | 主な材料例 |
---|---|---|
導体 | ( 10^{-10} ) 〜 ( 10^{-4} ) | 銅、鉄、炭素など |
半導体 | ( 10^{-4} ) 〜 ( 10^{8} ) | ゲルマニウム、シリコン、セレン |
絶縁体 | ( 10^{8} ) 〜 ( 10^{18} ) | 紙、マイカ、石英、ポリフッ化エチレン |
主な材料の分類
- 導体: 導電率が高く、電流を非常によく通す材料です。銅や鉄、炭素などが代表的で、配線や電気回路などに使用されます。
- 半導体: 導体と絶縁体の中間的な特性を持つ材料で、電気を通す能力は導体よりも低いですが、絶縁体よりは高いです。シリコンやゲルマニウム、セレンが代表的で、特にシリコンは半導体デバイスの基盤として広く利用されています。
- 絶縁体: 電気をほとんど通さない材料で、導電率が非常に低いのが特徴です。紙、マイカ、石英(SiO₂)、およびポリフッ化エチレンなどが含まれ、主に絶縁用途に使用されます。
各材料の元素記号
各材料には対応する元素記号が付けられており、以下のように表記されています:
- 導体: 銅 (Cu), 鉄 (Fe), 炭素 (C)
- 半導体: ゲルマニウム (Ge), シリコン (Si), セレン (Se)
- 絶縁体: 石英 (SiO₂)
まとめ
この分類をもとに、用途や必要な特性に応じて適切な材料を選定することが可能です。例えば、電気を効率的に伝えるためには銅などの導体が適しており、電子回路基板にはシリコンのような半導体が不可欠です。また、電気を遮断したい箇所には絶縁体であるポリフッ化エチレンや石英が適しています。