樹脂プラスチック材料環境協会 / Jushi Plastic Material Environment Association

ほしい「原料・材料・素材・機械・加工・技術・環境ソリューション」を持つメーカーと、直接つながる / "Connect directly with manufacturers that provide the desired raw materials, components, machinery, processing techniques, technologies, or environmental solutions."

     

用語集

分子量測定の方法と種類について

分子量を測定するための主要な方法について、ご紹介します。

1. 質量分析 (Mass Spectrometry, MS)

  • 原理: 分子をイオン化し、そのイオンの質量を測定します。イオン化には電子衝撃法 (EI)、化学イオン化法 (CI)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化 (MALDI)、エレクトロスプレーイオン化 (ESI) などがあります。
  • 利点: 高い精度と感度で分子量や化学構造を決定できます。
  • 用途: 小分子から大分子まで広範囲にわたり、特に有機化合物や生体分子の分析に使用されます。

2. 凝固点降下法 (Freezing Point Depression)

  • 原理: 溶質が溶媒に溶けることで、溶媒の凝固点が低下します。凝固点降下量から溶質の分子量を計算します。
  • 利点: 簡単で、特に小分子の分子量測定に有用です。
  • 用途: 主に小分子化合物や低分子量の化学物質の測定に利用されます。

3. 沸点上昇法 (Boiling Point Elevation)

  • 原理: 溶質が溶媒に溶けることで、溶媒の沸点が上昇します。沸点上昇量から溶質の分子量を計算します。
  • 利点: 溶液の性質に基づく測定で、比較的簡単に行えます。
  • 用途: 溶液中の分子量の測定に使用され、特に中小分子の測定に適しています。

4. ゲル浸透クロマトグラフィー (Gel Permeation Chromatography, GPC)

  • 原理: ポリマーや高分子をゲルカラムに通し、分子サイズに基づいて分離します。分子量は排除体積やカラムからの出力時間を基に算出されます。
  • 利点: ポリマーの分子量分布を正確に測定でき、広範な分子量範囲に対応可能です。
  • 用途: ポリマーや高分子の分子量分布分析に特化しています。

5. 静的光散乱法 (Static Light Scattering, SLS)

  • 原理: 照射した光が分子によって散乱され、その散乱光の強度を測定します。散乱の強度から分子のサイズと分子量を決定します。
  • 利点: 高分子のサイズや分子量を直接測定でき、複雑な試料にも対応可能です。
  • 用途: ポリマーやタンパク質などの高分子の分析に使用されます。

6. エルツ法 (Ellman’s Reagent)

  • 原理: 特定の化学反応に基づき、分子の濃度や量を測定します。主に酵素活性やペプチドの定量に使用されます。
  • 利点: 特定の分子や基準に対して感度が高いです。
  • 用途: 生化学的な分析に多く使用されます。

7. クレイグ法 (Craig’s Method)

  • 原理: 液体クロマトグラフィーと質量分析を組み合わせて、分子の質量を測定します。分子の分離と質量決定を同時に行います。
  • 利点: 高い分解能と精度で、複雑な混合物中の成分の測定が可能です。
  • 用途: 化学合成物の分析や質量測定に使用されます。

これらの方法は、分子の性質や測定の精度に応じて選択されます。選択する方法は、試料の特性、必要な精度、分析目的によって異なります。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-用語集
-

関連記事

lca cfp

スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ) とは

スーパーエンプラとは、スーパーエンジニアリングプラスチック(Super Engineering plastic)の略語で、エンジニアリングプラスチック(エンプラ)を超える特性をもつプラスチック樹脂です …

lca cfp

塩効果(salt effect)とは

塩効果(salt effect)とは反応系に塩を添加することで反応速度などが変化する効果を指します。中世塩効果とも言われ、イオン強度の変化による効果を第一種塩効果、共通イオン効果を第二種塩効果と分類す …

lca cfp

逐次重合の例として、ポリエステルの縮合重合

逐次重合(sequencial polymerization)とはモノマーが連続的に重合を繰り返してオリゴマーへの成長し、オリゴマー同士の重合も進行する機構で進行する反応です。二つ以上の反応性の官能基 …

lca cfp

熱硬化性樹脂 とは

樹脂・プラスチックは大きく2つの種類に分けられ、その分け方は「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」に分けられます。 熱硬化性樹脂は、樹脂・プラスチック自体を熱で温め柔らかくすることで形状を変化させることが …

lca cfp

ROMP(ring-opening metathesis polymerization)とは

ROMP(ring-opening metathesis polymerization)とは開環メタセシス重合です。アルケンを有する環状化合物の重合反応で、Grubbs触媒などのルテニウム触媒やモリブ …